「元引きこもり」と「元ニート」
出会いの物語
- episode.1
- episode.2
- episode.3
- episode.4
- episode.5
そのとき服部はニートであった。
とても明るい、ニートであった。
ニートとして生きることを自ら望み、毎日いきいきと過ごしていた。
社会で再び大きく羽ばたくための期間を、彼はこの時あえて設けていたのである。
ある夜、彼はググって見つけたとあるBarで、ひとり酒を飲みながら音楽ライブを楽しんでいた。
ニートミュージシャンとして。
とても明るい、ニートであった。
ニートとして生きることを自ら望み、毎日いきいきと過ごしていた。
社会で再び大きく羽ばたくための期間を、彼はこの時あえて設けていたのである。
ある夜、彼はググって見つけたとあるBarで、ひとり酒を飲みながら音楽ライブを楽しんでいた。
ニートミュージシャンとして。

しばらくすると、隠岐という男が店にあらわれた。
この日、彼は店のマスターと何曲かセッションをする事になっていた。
元々は極度の人見知りで、花盛りであるはずの20代前半をひきこもっていたシンガーである。
何の罪も犯していないのに、外に出るとしょっちゅう職質をされた。
歌があったからこそ、彼は人の中で生き返ることができたのだ。
この日、彼は店のマスターと何曲かセッションをする事になっていた。
元々は極度の人見知りで、花盛りであるはずの20代前半をひきこもっていたシンガーである。
何の罪も犯していないのに、外に出るとしょっちゅう職質をされた。
歌があったからこそ、彼は人の中で生き返ることができたのだ。

隠岐は歌った。
力強く、繊細に。
精一杯に。

服部は自分の耳を疑った。
それ以上に目を疑った。
こんな人間が、こんなご近所にいたものかと。
こらえらいこっちゃ、わしゃ、瞬く間に心を奪われたでえ、と。
ステージで歌う隠岐を照らすライトに、新たな光が差し加わっていた。
それ以上に目を疑った。
こんな人間が、こんなご近所にいたものかと。
こらえらいこっちゃ、わしゃ、瞬く間に心を奪われたでえ、と。
ステージで歌う隠岐を照らすライトに、新たな光が差し加わっていた。

ライブ終了後、服部はすぐさま隠岐に声をかけた。
その愛くるしいキャラクターに、人見知りの隠岐も難なく打ち解けることができた。
二人は酒を交わしながら語り合った。
そして、まあ何となくその場のノリというか取りあえずなんか一回やっときますかみたいな事で音楽ユニットを結成した。
これからわずか二週間後、二人は初ステージを踏むこととなるのである。
その愛くるしいキャラクターに、人見知りの隠岐も難なく打ち解けることができた。
二人は酒を交わしながら語り合った。
そして、まあ何となくその場のノリというか取りあえずなんか一回やっときますかみたいな事で音楽ユニットを結成した。
これからわずか二週間後、二人は初ステージを踏むこととなるのである。

プロフィール
奈良県出身の1987年生まれ。高校で歌に目覚め、大学生時代にクラブシンガーとしてのアルバイトを経験。その後、対人恐怖症のため引きこもり時代を迎えるも、なんとか克服。2017年の春にライブバーで服部と出会い、「隠岐くん&服部くん」を結成。その後、1年後に「The Two」に改名し、関西圏を中心に活動中。
奈良県出身の1987年生まれ。高校で歌に目覚め、大学生時代にクラブシンガーとしてのアルバイトを経験。その後、対人恐怖症のため引きこもり時代を迎えるも、なんとか克服。2017年の春にライブバーで服部と出会い、「隠岐くん&服部くん」を結成。その後、1年後に「The Two」に改名し、関西圏を中心に活動中。